多くのガジェット好きが絶賛し話題となったワイヤレスキーボード MX KEYS MINI。MX KEYSで多くの方がコメントしてた「テンキーがなければ最高」との意見を反映され発売されました。そんな人気商品ですが、管理人も遅ればせながら2022年1月に購入しました。
そんなMX KEYS MINI、接続方法がBluetooth以外にはLogi Boltという聞きなれないものに。今までのUnifyingと互換性がなくなったので多くの方がこの点を不満点として挙げています。
新規で発売されるロジクール製品もLogi Bolt対応となっていることから、永らく続いたUnifyingからこれからはLogi Boltに変わっていくと思われます。そんな情報の少ないLogi Boltがどんなもんか試してみたのですが予想以上の効果があったのでご紹介します。
この記事はこんな人にオススメします
- logi bolt?別にBluetoothで繋がってるから不要でしょ。
- logi boltのメリットがイマイチ分からない。
- 少しでもレスポンス良く使いたい!
使えるようになるまでの準備
まずは購入
2022年1月現在、AmazonではLogi Boltが入手困難です。そんなで我らがヨドバシカメラで購入します。
※2023年10月現在、Amazonでの入手性は全く問題ないぐらい在庫は回復しているようです。
ヨドバシ、購入画面では「おすすめ商品」が出てくるんですが4個セットを提案してきやがりました。どんだけ買わせる気なん。
翌日到着。プライベート用PCと、お仕事用PCを切り替えて使うので2つ購入しました。
早速開封。プラスチックのケースなどを使ったりせず、シンプルで良い。
このボール紙の質感も個人的には好き。
Unifyingと比較。特にサイズ感に違いはない。
取り付け
Logi BoltをPCのUSBポートに刺します。
Unifying とは互換性がないので現状は2つ刺さないといけませんが規格が変わる過渡期なので仕方ないですね。
とはいえ、現在Unifying で使用しているマウス(MX Master3)もfor BusinessというLogi Bolt版がすでに存在しているので、今後壊れたりして買い替える時にはLogi Bolt版を購入すればUnifying はなくせますね。
その後、2022年6月16日にMX Master3の後継、MX Master3sが発売されました。こちらであればLogi Boltも付属しているので1台のPCとの接続であればLogi Boltの追加購入は不要ですので、合わせて購入するのもアリですね。
設定
Logicool Optionsから設定を行う。
無事接続できるとMX Keys Miniが表示される。ちなみにMX Keys Miniの購入直後のバッテリー残量は60%でした。接続方法がBluetoothやUnifyingでも、同じ画面で表示され管理できるのはありがたい。
Logi Boltのメリット
それでは本記事のメイン、Logi Boltを導入することによるメリットを挙げていきます。
BIOS/UEFI画面で使える
Bluetooth接続だとBIOS/UEFI画面では認識しないが、Logi Bolt接続だと有線のUSBキーボードと同じように認識するのでBIOS/UEFIをちょくちょく触る自作PC好きにはありがたい。
ポイント
MacへBluetooth接続した場合に、パスワード入力画面でキーが認識しないという話を聞いたことがありますが、Logi Bolt接続にすればその問題を解決することができます。
Bluetoothが使えない環境でも使用できる
社用PCなどのBluetooth接続が許可されていない環境もあるかと思いますが、Logi Boltと組み合わせれば使用できる場合もあります。
ポイント
社用PCだと管理用ソフトであるLogicool Optionsを導入できず、Logi Boltとのペアリングができないような場合もある。このような場合は、
① プライベート用PCなどLogicool Optionsが導入できる環境にLogi Boltを接続してLogi Bolt+キーボードの組み合わせでペアリングを行う。
② ペアリング後にLogi Boltをプライベート用PCから抜き、社用PCのUSBポートに挿す。
とすることでLogicool Optionsを入れることなく社用PCで使用することができるようになります。
Bluetoothを使用する機器を減らせる(安定性向上)
最近はマウス、キーボード、イヤホン、ゲームコントローラー、なんでもBluetoothで接続ができて大変便利ですね。
ただ一方でBluetoothの不安定さが非常に気になっています。管理人は今まで仕事用PCでマウス(MX Master3)、キーボード(Majestouch2)に加え、Web会議時にはイヤホン(WF-1000XM3)もBluetoothで接続していたのだが、これだけ繋ぐとたまに相性問題でキーボードかイヤホンが誤作動を起こして困っていました。
良く起きていた問題
- キーボード(Majestouch2)の接続がしょっちゅう切れる
- キーボード(Majestouch2)の接続が切れた後、再接続でなかなかつながらない
- Windowsとの接続完了後にWeb会議に入ったらイヤホン(WF-1000XM3)の接続が切れる
- Web会議中にイヤホン(WF-1000XM3)の接続が不安定になり、相手の声がロボ声になる
- Web会議中にキーボード(Majestouch2)の電源を切って入れたらOSごとPCが落ちた
これだけの問題が発生することによる時間、機会損失、集中力低下などを考えると1つでもBluetoothで接続される機器が少なくなるのは嬉しいのです。
お客さんとのWeb会議じゃなくてほんと良かった。
なおロジクールのページを見ると以下のように電波環境が良くない場合でも堅牢な接続が維持されると記載されていました。今までのBluetooth接続のキーボード(Majestouch2)では接続がしょっちゅう不安定になっていましたが、今のところ一切不安定になる様子がないのでこの堅牢性が寄与しているのかもしれませんね。
出展:ロジクールホームページ
複数デバイス間の切替速度向上
ロジクールのページを見ても「接続の安定性や遅延の少なさ」をうたっていても、複数PC間の「切り替え速度」に関しては情報がありませんでした。
測定環境、条件
- デュアルディスプレイの左にお仕事用PC、右にプライベート用PCを表示させる。
- 使用するキーボードはMX Keys Mini
- iPhone 12 Pro Maxのスロー動画(240fps)で動画撮影し、動画をDaVinci Resolveにぶち込んでフレーム数を数える
計測条件は以下の通り
- 計測するのは以下の3パターン
- お仕事用PC(Bluetooth接続) → プライベート用PC(Logi Bolt接続)
- プライベート用PC(Logi Bolt接続) → お仕事用PC(Bluetooth接続)
- プライベート用PC(Logi Bolt接続) → お仕事用PC(Logi Bolt接続)
- 以下イベントの時刻を記録する
- 切替キー(F1~F3)押下開始
- キーボード上のLED(F1~F3)点灯
- 切り替え直後から押し続けたキーが画面に表示される
計測結果
計測結果は以下のようになった。
切り替え | 切替キー押下開始→LED点灯 | LED点灯→画面表示 | 合計(キー押下開始→画面表示) |
① Logi Bolt → Bluetooth | 0.265 秒 | 0.570 秒 | 0.835 秒 |
② Bluetooth → Logi Bolt | 0.250 秒 | 0.110 秒 | 0.360 秒 |
③ Logi Bolt → Logi Bolt | 0.235 秒 | 0.115 秒 | 0.350 秒 |
この結果からBluetooth接続とLogi Bolt接続を比較すると、「PC間切り替え&打った文字が表示されるまでが0.835秒→0.350秒と約60%減」ということが分かった。
複数台のPCを切り替えて使用することが多い人は嬉しいですね。
キー反応(打った文字が表示されるまで)
前述の「複数デバイス間の切替速度向上」と似ているが、こちらは単体で使用する場合のキー入力のレスポンスがどの程度なのかの検証です。
測定環境、条件
- 使用するキーボードはMX Keys Mini
- iPhone 12 Pro Maxのスロー動画(240fps)で動画撮影し、動画をDaVinci Resolveにぶち込んでフレーム数を数える
計測条件は以下の通り。
- 以下イベントの時刻を記録する
- キー押下開始
- 押し続けたキーが画面に表示される
計測結果
計測結果は以下のようになった。
PCとの接続方法 | キー押下開始→画面表示 |
① Bluetooth | 0.140 秒 |
② Logi Bolt | 0.055 秒 |
この結果からBluetooth接続とLogi Bolt接続を比較すると「打った文字が表示されるまでが0.140秒→0.055秒と、こちらも約60%減」ということが分かった。
動画編集時にキーボードで再生・停止を繰り返す場合なども明らかに反応がいいので、キーのレスポンスを重視する人にとっては作業性の向上が期待できますね。
マウス反応(Logicool Flowによる複数画面切り替え)
ロジクールのマウスの目玉機能の1つに、複数PC間のマウス切り替えをスムーズに行えるLogicool Flowという機能があります。
管理人は今までMX Master3を複数PCで切り替えて使う際は、PC1とはUnifying 、PC2とはBluetooth で接続していましたが、以下のような問題が起きていました。
良く起きていた問題
- 切り替えのレスポンスが悪いことがある
- PC1→PC2へと切り替え、直後にPC2→PC1に戻ろうとすると高確率でFlowが作動しない
そこでBluetooth で接続していたPC2へもUnifying で接続するように変えたところ、上記の問題は一切発生しなりました。おまけに切り替わりのレスポンスがかなり向上したので使い勝手が大幅に上がりました。今回はUnifying での結果ではありますが、Logi Boltでも同じようにメリットが期待できると考えています。
入手方法
最初にも書いた通り、Logi Boltは現在Amazonでは入手が困難な状態が続いています。リンクは貼っておきますが、在庫があったらラッキーですよ。
※2023年10月現在、Amazonでの入手性は全く問題ないぐらい在庫は回復しているようです。
単体での入手が難しい場合も、Logi Bolt対応のマウスなどでLogi Boltが付属しているモデルもあるので、これらを買うことでLogi Boltを入手することもできますので、ちょうどマウスを新調したいと思ってる方はいいかもしれませんね。
上でも書いた通り、2022年6月16日にMX Master3の後継、MX Master3sが発売されました。こちらもLogi Boltが付属しているので、選択肢としては大いにアリだと思います。
まとめ
Logi Boltに関して、あまり情報が出回っていないことに関してまとめてみました。
導入効果が目に見えにくいことに加えてBluetoothでも問題なく接続はできるので「わざわざ買うほどでもないかなぁ」と思ってた方も、より環境向上のために導入を検討してみていただければ幸いです。
今回の検証に使用したのは 「MX KEYS MINI ミニマリスト ワイヤレス イルミネーション キーボード KX700」になります。打ち心地も良く、今回検証したように安定性もピカイチなので末永く安心して使えそうです。
テンキー付きのMX Keysが良く、キーボードもマウスもすべてLogi Boltで入れ替えを行いたい方は「MX KEYS コンボ for Business」というセット商品もあります。これならLogi Boltも最初から付いているので安心です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。